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平成26年2月 定例会総務常任委員会


財務マネジメントについて

大阪府議会議事録より引用、一部省略・加筆修正。原文はこちら

今井府議

財務マネジメントについてお伺いしたいと思います。

今手元に持っている本は、「人口減少時代の自治体経営改革」という本で、先般発行された本だということで、大庫直樹さん、これは大阪府市ーー今問題になっている特別参与の方が提言され たという本です。この本が非常に今までにはない、的を射た、我々の発想では非常に乏しかった発想で、大阪府の財務について指摘されております。

それにかかわって、ちょっと一点質問したいんですけども、この大庫直樹さんの著書によると大阪府の資産規模の比較でいくと、普通会計に属する資産規模で行くと、大阪府というのは日立 製作所やパナソニックと変わらないと。
大阪市の資産規模で行くとまだ数段上で、東京電力と変わらないという事で、まずこういった企業の目から見て自治体はどうあるべきかという観点から、民間企業とバランスシートの上での比較をしているということなんですが、そういった点でバランスシート全体に目配りをして、だから財務マネジメントが重要なんだと。

(大阪府の主な財政状況の推移はこちら

大阪府の財務マネジメントについて議論したい中で、平成二十四年度末の全会計ベースの府債残高は、東京都に次いで大きな規模で、約6兆二千五百億円となっています。さらに、平成二十六年度の全国型の市場公募地方債の発行計画を見ますと、府は、東京都の七千四百億円を優に上回っておりまして、七千七百億円もの発行を予定しているわけです。非常に大きくて、全国最大規模になっています。

まずは平成二十六年度当初予算案における全会計ベースの元金償還金と利払い額に係る予算額を確認しておきたいと思うので、よろしくお願いします。

財務課長

平成二十六年度の当初予算案におきまして、公営企業会計を含む全会計ベースの元金償還金額は約八千八百三十四億円、また利払いにつきましては、約七百五十六億円を計上しております。

今井府議

府の利息分だけで年間756億円もの負担となるということで、かなり大規模となっています。
平成24年度の民間資金からの調達発行額及びそれらの平均調達期間、あるいは平均発行利率はそれぞれどの程度の数字になるのか、そのボリューム感もあわせてお願いします。

財務課長

平成24年度ということで、24年4月から平成25年3月までの1年間に民間資金から調達させていだだいた額は、約6496億円です。
これに係る平均調達期間は7.57年、約7年半、また平均発行利率は0.531%です。

今井府議

大阪府の府債残高の総額は、約6兆2500億円ということになります。調達金利が少し変わっただけでも大阪府のように規模が大きいと、利払い負担に大きな差が生じるのは周知の事実であ るんですが、平成24年度の民間資金からの調達額が約6500億円に対して、平均調達期間が7年半くらいということなので、単純計算ですけども、仮に平均発行金利、これが0.531% をいわゆる1ベーシスポイント、すなわち0.01%下げることが仮にできれば、初年度の利払い軽減額は、それだけでも焼く6500万、その効果が一巡していくと、年間の利払い軽減額は約5億円ということになっていきます。これ、純粋な一般財源効果になります。

たかだか1ベーシスポイントでもそうなるということであれば、2ベーシスポイントということになるとそれだけで10億円変わるということで、非常に大きなものになってくるわけです。

現在の市場環境では、単純に調達期間を短くするだけでは、金利の変動リスクが伴うということで一概には有利とは言えないわけですが、つまり次回の借り換え時に金利が上昇した場合のリ ファイナンスリスクが生じるということも考えられるということです。これを実践するためには、市場環境に応じて投資家のニーズあるいはリスクマネジメント等もあわせて適正化、最適化を図るということが必要ではないのか。よく、ポートフォリオの問題が言われるわけですけども、いわゆる資金調達手段の組み合わせ、いかに上手に組み合わせていくかということ、最適化を図るか という事になります。
まさに、財務マネジメントが極めて重要だという事を思うわけですが、その取り組みと新たな対応策についてお伺いしたいと思います。

財務課長

資金の調達あるいは運用などを総合的に管理いたしますことにより、財務の効率性を高める財務マネジメントの取り組みというものは、私どもも非常に重要なものであると認識しています。

本府におきましては、平成22年10月に策定しました財政構造改革プラン案におきまして、財務マネジメントの向上というものを位置づけています。
これを踏まえて、翌23年2月に、金融市場の関係者あるいはシンクタンク、学識経験者といった方々からなる大阪府財務マネジメント委員会というものを設置するとともに、同じ23年4月、 年度明けから財政課の中の資金管理業務を分離しまして、新たに公債企画グループを設置しました。

こういった体制整備を行った上で、平成23年4月に先ほど申し上げました財務マネジメント委員かにおいて取りまとめていただきました財務マネジメントに関する調査分析報告書というもの をもとに、まず府債、起債の発行の面ですけれども、同じ23年8月に、大阪府債の発行管理に関する基本的な考え方及び事務取扱指針を作成しまして、長期、短期、さまざまな金利の複合的な活用によって中長期的な観点からリスクをコントロールしつつ、適切なポートフォリオの構築とあわせて利払い額の低減というものに取り組んでおります。

資金運用面におきましても、従来は、一般会計の支出の中で、年間収支の中出、お金の足りない時期と、それから余っている時期という両方ありましたことから、余っている時期において、短期の資金運用のみをおこなっておりましたけれども、ここ数年は中小企業の制度融資、これのうちセフティーネットワークというものがありますが、従来は、金融機関に預託して金利を下げるという事をやっておりましたが、ここ最近は、金融機関の所定金利化ということで、預託が要らなくなるような制度改正をしたということによる預託金の減少、あるいは減債基金、まだ復元が残ってますけども、一定の復元を行ってきました。

こういったことで、一定の手持ちの資金というものが年度内一年間を通じてたまってきたということを申し上げますと。一時借入金が発生しない状況となったことから、25年9月に今後の長 期運用についてという考え方を取りまとめまして、この4月から長期運用についてという考え方でして、こういったことを合わせて行う事で、更なる資金の効率化を図ってまいりたいと考えております。

今井府議

ここ2、3年の府の財務マネジメントについては状況はわかるわけです。しかしながら、これだけでは十分とは全くいえないというふうに思います。

行財政改革効果もあって、事業債に係る府債残高は、平成18年度以降、ピークアウトしているわけですが、その一方で、交付税の代替として措置されている臨財債、あるいは府債残高を押し上げて続けているということの現状も、一方であると思うんです。
その結果、東京都を上回る府債発行計画となったわけで、特に財務体質、財務力の強化を図る府市統合ーー我々、そういう意味では府市統合は肥料に大事、再編は大事ということで捉えているわけですけども、当初は、この府市統合によって、市の既発債を広域が継承した場合、さらに発行額が増えることになる、それは予想されると思うわけです。

金融市場というのは、投資家の需要と発行体の供給量によって、条件、いわゆる発行金利がそこで決定されるために、発行額の増加あるいは市場環境によっては、条件を悪化させる要因ともなってきます。かつてのリーマンショックのような未曾有の金融危機が起こったときに、膨大な発行量を一定条件で本当に消化できるのかどうかということを不安視するわけです。非常に迅速な意思決定ができるかどうか。

既に、金融の世界では、日本国債はいつ暴落するのかわからないと。国債の金利が極端にはね上がるかもしれないというふうに言われておりますし、いつデフォルトが起こるのかというふうに言われておると。

2013年3月末の国の普通国債は約700兆円、財政投融資特別会計国債が約100兆円、政府の短期証券が約200兆円、借入金60兆円、優に1000兆円を既に超えているこの日本 の債務があるということを考えると、国税は約40兆円台なので、20倍の開きがあるということです。このことを考えると、非常に危機的な状況でいつも綱渡りをしてるんやなと感ずるわけで、このような状況のもと、意思決定を迅速に的確にすることは非常に大事だと思います。

府においても、もう一度そういう状況を踏まえながら、踏み込んだ体制づくりが必要ではないかと思うわけで、財務部長の見解を聞きたいと思います。

財務課長

安定した資金の調達、効果的な資金運用を行うに当たりましては、平常時から金融市場や投資家の動向を注視し、さまざまなリスクに対する備えを講じておく必要があると考えております。そのためには、我々幹部職員を含め、関係職員の金融に関する専門知識の習得及びその向上を図るとともに、投資家への情報提供活動であるIRなどを通じて、金融機関や投資家との情報交換の場を 数多く得る事が重要になると考えています。

財務マネジメントの強化は、重要課題であり、その向上に向けては、まずはIRの強化に取り組みたいと考えております。

本府が財務体質の強化、健全化に努めている事、またそうした努力なり、その結果財務状況が改善していると、そうした状況を投資家にしっかり訴えて、理解を得ていくことが必要と考えてい ます。

そのためには、トップマネジメントのもと、府政の方針や財政の現状をアピールする事で、投資家の信頼を得る事が何よりも重要であると考えておりまして、例えば知事なり副知事が出向いて、トップ自らが直接投資かに語りかけるといったことが極めて効果的であろうかとも考えておりまして、そうした取り組みも進めていきたいと考えています。

あわせて、財務省への職員派遣や研修の充実、さらに財務マネジメント委員会の助言協力も得て職員のスキルアップを図るなど、適切な財務マネジメントを行うための体制づくりを強化します。

今井府議

今回の泉北高速の問題にしても、知事のトップマネジメントで前に進んだような気がするわけですけども、まさにその人口減少時代というのは、すなわち税収減少時代にあるというふうにも言われています。
自治体は、地方分権、規制改革の流れで、それを加速させるということが大事だと思うんですけども、これからの自治体経営には、やっぱり財務マネジメントという考え方が、決定的に重要な仕組みとして、あるいは体制として必要ではないかと思います。財務部長のお話をお聞きしまして、引き続きその必要性を感ずるわけです。

これまでの自治体ではということで、実務者がいても、トップ層がみんな金融音痴の状況では、巨大なバランスシートを持つ組織としては致命的欠陥を持ち続ける可能性があるというように述べられています。まさに、今トップに対してアクセルを踏め、あるいはブレーキを踏め、そういう責任ある立場の必要性、あるいはトップの意思決定に決定的にかかわれる立場の必要性というものが言われています。

この著書の中には、銀行幹部であるとか、あるいは自治体の経営を成功させるための公募であるとか、さまざまなバリエーションで重要な位置づけをすべきだということも提言をされておるわけですが、今後、府においても、いわゆるCFOー最高財務責任者という位置付けということも考えていきながら、一度この危機にある財政の中にあって、そういう決定的な責任ある立場を体制としてつくっていただきたいということを要望として話させていただいて、私の質問を終わります。

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